「危ないよ、こんな所に一人で……」
「っ………だ、大丈夫です」
なっちゃんがいるし、すぐに戻ってきてくれる。
お願い、早く帰ってきて、なっちゃん……。
近づく男性から距離をとろうと後ずさると、それすらも楽しいと言わんばかりの顔で笑った。
「ハハッ、ここは、夜人通りが少なくなる。キミを助けてくれる人はいないんだよ」
「えっ……」
そう言った男性との距離が、急に近くなる。
そして、思いっきり両手首を掴まれた。
「い、いやっ!!は、離してっ……」
「もっと抵抗しないと………くくくっ」
怖いっ、なにこの人っ。
どうして、こんな事にっ……。
掴まれた手は、骨が軋みそうになるほどに強く、痛みを伴った。
「た、助けて……」
「もっと大きな声で叫ばないと」
ニタニタと笑う顔に背筋が凍る。
怖くて、大きな声で叫んだつもりが、弱々しく掠れてしまった。


