ージリッ
月を見上げていると、背後で砂を踏む音が聞こえた。
なっちゃんが帰ってきたんだ。
本当にすぐだったなと……振り返ると、そこには……。
「なっちゃん、おかえり……り?」
「やぁ、こんばんは」
振り返った先にいたのは、知らない男性だった。
それに驚いて、語尾が小さくなっていく。
いけない、早とちりしちゃった。
てっきりなっちゃんかと思ったのに、全然知らない人だったよ。
謝らないと……。
「あ、すみません、人違いで………」
「どこから来たの?」
慌てて謝ろうとした私の言葉を遮って、男性は貼り付けたような笑顔を浮かべながら話しかけてくる。
「えーと……千葉から……」
「ふうん、1人で?」
なんだろう、この違和感。
ジリジリとこっちに迫ってくる男性に、恐怖が襲ってくる。


