「あら、柴田さんも。お久しぶりです」
笹森さんの隣にいたショートカットのかなり美しい女性が柴田に声をかける。

「えっ?」
俺たちは一斉に柴田を見る。
何でこんな美人と知り合いなの?

「あ、ああ美樹さんですか。お久しぶりですね」
「ふふっ、私の方は絵里ちゃんから柴田さんの話をよく聞いていたから久しぶりって感じじゃないんですけどね」
うふふと美樹さんと呼ばれた女性は意味ありげに笑う。

柴田は笑顔を崩さず
「いや、俺の話って何の話ですか。いい話ならいいんですけど」
とサラッと言う。

「何で山口さんも柴田さんもこんな美女軍団と知り合いなんですかー!」
ズルイズルイと木田が騒ぎ出した。
酔った木田はいつもより更に子供のようだ。

そして、女性グループがまた笑い出す。

迷惑をかけたお詫びに一杯ごちそうすると言うと、
結果、ふすまを開けて俺たちのグループと一緒に飲むことになった。

こんな偶然ってあるんだな。

笹森さんの近くに座りたかったが、彼女の隣は鈴木が座ってしまった。