体育祭当日。

ワクワクしていた私はあまり寝れなかった。
元から朝が苦手で、今日もぎりぎり・・・・。

リビングに向かうと、お母さんがまだ寝ていた。


お昼ご飯・・・・・。


「ねぇ。起きて。ごはんある?」

「ん~自分で作り」

え・・・・。
ただでさえ時間がないというのに。


私は急いでお昼ご飯を作り始めた。
色々作っている暇はないので、焼きそばにした。

まだ、お母さんは起きる気配がない。


「早く起きないと、間に合わんで」

時間を確認しながら超特急で用意をした。



しかし、案の定勇人たちとの待ち合わせ時間には間に合わず、お母さんが勇人のお母さんに連絡をいれた。

二人で向かったが、時間がやばい。
集合時間に間に合わないかもしれない・・・・。

あんだけ、楽しみにしていた体育祭だったのに


お母さんは二日酔いだ。
今日、私の体育祭に来るため、仕事を休んだので昨日飲みに行っていたようだ。

いつも、お母さんはこうだ。

仕事がないってわかると調子に乗って飲みすぎる。
その結果が、これだ・・・・。

勘弁してほしい。


私たちは乗り換えの駅で同じ体操服を着ている人たちを見つけた。

(あぁ。遅刻じゃなかったのか、よかった)

少し安心した。


しかし、目的地に着くと全員が並んで先生の話を聞いている。

「なにしてんねん。走れ!!」

これは、のこのこやってきた先輩に向けられた言葉だった。
しかし、これは私も含まれるだろう、きっと。

そして、恥ずかしい思いをしながらなんとか到着した。

列の一番後ろに座った。
そこには、私と保育園から一緒の百海(ももみ)がいた。

「麻衣、どうしたん?」
「お母さんがやらかした」
「え、まじか。おつかれ」

そういって、息が切れている私の背中を百海がさすった。


顔が熱い。

走ったせいもあるが、みんなから注目を浴びてしまった。
きっとやすくんも私に気づいたに違いない。

恥ずかしいおもいをした私は、後ろを振り返り、お母さんを睨んだ。