とどけ、この想い

真樹のいなくなった後、私はもう戻ってきていた玲夏の所に行った。
「玲夏...」
「芽衣、話は真樹から聞いた。俺がお前に叩き込んでやる」
「何をですか」
私はビクビクしながら聞いた。
「女子力上げる方法」
「は?」
玲夏はヤクザの目を向けてくる。正直怖い。
「その、は?ってやめろ」
「え?」
「そうだね。聞き返す時は、え?だ」
「あ、はい」
「もっと女子らしく返事しろ!」
「はい!⤴⤴⤴⤴⤴⤴」
うわ、キモッ。言ったあと自分で顔をしかめた。こんなキャラじゃない。
「よし。徹底的にやってやる」
「おねがいします!⤵︎⤵︎⤵︎」
私はソクサリした。
何よ、女子力って?
女子?そもそも何で女子力上げる訓練とかしなきゃいけないんだっけ?
...あ、そうだ。実依沙のせいだ。実依沙を呪う。
私がとぼとぼ歩いていると、恐ろしそうなバスケ部のキャプテンが現れた。
「お前が新マネージャーか?」
「はい!!⤴⤴⤴⤴⤴⤴」
「今日から来い。仕事はその時教える」
「はい!!⤴⤴⤴⤴⤴⤴」
キャプテンはいなくなった。
その代わり、玲夏という、今となっては魔物、が現れた。
「はい!!⤴⤴⤴⤴⤴⤴だけ言ってたら逆に引かれるよ~~~?」
「了解です!!☆☆☆」
「コミュニケーション力高めとけ」
「了解です…!⤵︎⤵︎⤵︎」
マジきついし...やばいなー。

放課後。
私は体育館に行った。いや、体育館なんかじゃない...そこは奈落だった。
「新しいマネージャーになりました!鈴木芽衣です!よろしくおねがいします!」
...おい、反応なしかよ。
「あー、はい」
キャプテンがやっと口を開いた。すると、ほかのメンバーたちが次々に口を開く。
「うい」
「はい」
「...」
などなど。
「あー、なんか前マネージャー可愛くねーなって思ってたら、こっち、さらに悪いじゃん」
「それなー」
「可愛いやついねーのかよ」
「お前ら、欲求不満の人妻じゃねーんだから、早くやるぞ」
...さすがキャプテン。って言ってる場合じゃ無い。
ボール拾いやんなきゃ。
「おい!マネージャー!なにやってんだよ!早く拾え!」
「はい!すみません!」
「ちげえよ!こっちじゃなくてそっちに投げろ!」
「はい!」
「どこ見てんの!こっち見ねーと分かんねーだろ!」
「はい!」

キーンコーンカーンコーン
これがせめてもの救いだった。
「終わりまっす」
「おつかれ~~~」
「ういっす」
私は後片付けをしなければいけなかったから、少し残って片付けをしていた。すると、残ってた男子がわざとらしく言った。
「つかえねーし、可愛くねーし、なんか今のマネージャー、マジ最悪」
「やー、それなー」
私はもう腹が立って腹が立って仕方がなかった。もう限界だ!!と思ってそっちに行った。
「あのさぁ...」
しかし、次の瞬間違う男子が私の前に立ってそいつらにビンタした。
「お前らさー、コイツ、マネ初めてだって聴いておいてそういうこと言うのか?バスケ部員ってさ、そんなにバカな奴らだったっけ」
「す、、すみません」
「今度そういうことヘーキで喋ってたら部活停止にすっから、そのつもりで」
「は、、はい」
そしたら、そのろくでなし男子は帰っていった。
「あ、あの」
私はその人に近づいた。
「ん?」
「ありがとうございます」
「ああー、別に。あいつらいっつもああやって言ってるから気にしないで」
「あの、、、お名前覚えたいんで、、」
「佐々木蹴人」

「バスケなのにシュートだって思うじゃん」
「あ、、ホントだ!」
誤魔化したんだけど気づいちゃったかな…笑
「、、、あんさ、お前、LINEしてるだろ?友達追加してくんない?」
「、、、はい!」

ってことで、蹴人くんとLINE交換しました!
こんなにあっさり仲良くなれるなんて思ってもいなかった!なんか、、、嬉しい。玲夏に会ったら一生分の感謝しておこーっと!
私はもうウキウキで学校を出て、もうスキップしそうな勢いで帰った。
そしたら、曲がり角で誰かと衝突事故を起こした。とは言っても、相手は普通の人。
「す、、すみません!」
「あ、いえ」
その男の人は20ちょっと過ぎくらいの人だった。
その時、、、私の世界観が変わった。
その人を見た瞬間、私を取り巻いていた世界が変わった気がした。
「あ、君こそ大丈夫だった?」
そのすごい素っ気ない態度が私の心の琴線に触れた気がした。
「は、、はい」
「よかった」
その男の人はダウンコートのポッケに手を突っ込んで闇に潜っていった。
それからというもの、私の心のドキドキは止まらなかった。止まる気配もしなかった。あの人の面影が頭から離れない...。

「ただいま」
「おかえり」
私は母と姉とで暮らしている。父はいない。姉が中1、私が小6の頃に離婚した。姉も私も思春期だったから、精神面に結構なダメージを与えられた。
「お母さんは?」
「あー、まだ仕事だって。残業がね」
「あー、そっかー」
「芽衣、あんたすごい上の空だけど大丈夫?」
「ああ、まあ」
私が2階へ上がっていこうとすると、姉の真衣が聞いてきた。
「ご飯は?」
「あとででいいわ」
私がまた上がっていこうとすると、姉は私の後ろ姿に向かって言ってきた。
「あんたの思ってること分かんだからね。なんかあったら言いなさいよ」
「おけー」
私は何もないって顔してその場から逃げた。でも、真衣は絶対分かってる。私の耳が赤いこと。