私の名前は鈴木芽衣。愛波中学3年。身長155cm。
普通にあるような名前の通り、普通の女の子です。
可愛くもない、美人でもない。
頭が良いわけではない、何かがずば抜けて出来るわけでもない。
好きな人もいません。
友達は多いほうかな。でも、親友って呼べる人がいない気がする。

「おーい、芽衣~~~」
「なーにー?」
「愛波に新しい先生来るってよ!」
「こんな時期に!?」
「ほら、2年の担任ノイローゼで辞めちゃったじゃん?」
「ああー、そうだった」
この話から分かるよね?
うちの学校は結構不良学校なんです。学校名はなんか私立の女子校で一貫校のエスカレーターって感じかもしれないけど(思ってるのは私だけ!?)ホントは共学の市立のバカばかりが集まる不良学校です。
「で、誰?」
「如月明斗」
「誰よ??って感じだね。ってか、若いの?結構キラキラネーム的な気がするけど」
「25」
「25!?うちら15だよね?ちょっと近くない!?」
「いや、そうかな」
「え、イケメン?」
「知らね~~~」
「で、いつから来るのよ?」
「えーっと、あと5ヶ月後だってさ」
「来んの遅くね」
「まあ」
私たち、私と小雪(こゆきってかいて、こゆだから)はいつものような会話をしていた。なんか冷めてるよね?
普通だから。安心して?笑
話し終えて、私が爪いじりをしていると、ほかの友達がやってきた。
「芽衣、、、ちょっと来て」
「何よ、改まって笑」
「いや、ちょっと」
ヘラヘラしてる私に対して、このイツメンちゃんは(本名は実依沙。みいさって読むよ)深刻な顔をしている。
実依沙は私を、人気のない廊下に連れてきた。ここは1日中、夜の学校みたいなんだよね。
実依沙は辺りに人がいないのを確認すると私に耳打ちした。
「実依沙ね、好きな人できた」
予想通りだったから、私はニヤニヤしてしまった。
「芽衣、なにその顔」
「いや、で、誰さ?」
「流輝」
「は、はるき??」
「うん」
さっきと違って予想外の答えだったから多分、自分ですごい変な顔したかもだなって思った。
「流輝で悪い?」
「いや、いや!そうじゃなくてさー、実依沙、流輝のことあんまり好きじゃないような事言ってたから」
「わざとだから。前から気になってた」
「マジかー、分かんなかった」
実依沙は相変わらずツンツンしてる。私もちょっと、実依沙とはとっつきにくいかなって思ってたけど、途中でそういうキャラが好きになったんだ。
「でさ、お願いがあるの」
「え、なに?」
この時、正直言うと、めっちゃヤな予感がした。その予感は残念な事に当たった。
「実依沙だけでコクりたくないから、芽衣もコクって!」
え、、、マジかよ。
「芽衣が思ってること分かってるよ。でも、お願い!芽衣のこと信頼してるから」
うわー、めっちゃ引くわー
「え、、、私がコクるんですか?」
思わず敬語になった。
「そうです」
相手もすかさず敬語に変える。
「うっわー、きついな、そりゃ」
私はめちゃヤダーって顔を思いっきり出す。でも、実依沙に通用しないのは最初から分かっていた。
「ってことで。よろしく!」
「え、、、はい」
やばいよー!
心の中で私は叫んだ。今こそ、私は確実にあそこにいる。
地獄だー!!