「俺は、夢を見ていたいです」
 俺に残された時間は、あと一年
これは、変えることのできない運命なのだろう

今後自分の思う通りに体が動くかも定かではない
『夢でもいい、愛依に会いたい』そんな気持ちだった

「よし、いいだろう
これからも私が君の夢を担当させてもらうよ」
どこか、満足げにフランツさんは言った

「よろしくお願いします」
俺は、深々と頭を下げた

「では、夢についての話をしようか

まずは、夢と現実との繋がりだ
もう分かっているとは思うが、現実で寝ると夢に繋がっている
逆に夢で寝れば、現実で起きることになる

次に注意だ
夢にのめり込むと、起きたくなくなるかもしれないから
現実もそれなりに大切にしなさい
現実の体がなければもう君は夢さえもみれないぞ

あとは、現実と夢の話を混ぜてはならないことくらいか

「ふふ、目がイキイキしてきたようだな
夢には、この扉から繋がっている
さあ、自分の力で喜びを勝ち取ってみな」