幕末を駆けた桜



『……ここだ、少し待て』


新見錦の言葉に黙って頷くと、僕を見た新見錦が中へと声をかけた。


『新見か…入れ』


新見錦の言葉へと中から返ってきた声の持ち主は、当たり前に芹沢鴨なのだろうが。


近藤さんとは違う威圧感に、後ろの振りに悟られぬよう息を呑んだ。


『……失礼します』


一礼し中へ入ると、続けて土方と沖田も中へと入った。


3人で横に並び、胡座をかいて座りながら扇を仰いで僕達へと視線を投げかけてくる芹沢鴨を見つめた。


『珍しいな…主らが、特に土方がここへ来るとは』


ゆっくりとそう言った芹沢鴨に、土方が少し眉間にしわを寄せながら僕の方を見た。


……これは、自分で自己紹介をしろと言う事なのか。



『……この度は、芹沢殿の話しを伺いたく訪ねてまいりました。
1番組隊士の、神楽真白です』


そう言って一礼した僕を、芹沢鴨はじっと見つめて、何を思ったのか盛大に声を上げて笑った。


『主、女子だろう?
何故女子が刀を持ち、我らと同じように人を斬る』


……バレていたか。


さすがは芹澤一派の局長と言うべきか。




『何故…ですか。

そちらの質問に答えるべく、言葉へ変えて敢えて言うのならば。

己の誠を貫く為…でございます』