幕末を駆けた桜




結局悩んだ結果、9時あたりから待つことにした僕は、門に来てからかれこれ30分ほど待った。


まぁ、怒ってはいない。


あのボコボコにした事件のおかげで皆に認められたらしい僕は、結構隊士達と仲良くなった。




その上、今日の門番担当が同じ1番組みのやつだったから、話し込むことができたしな。



『真白、この前まで屯所内の嫌われ者だったくせに、今じゃ人気者だな』


俺も今はお前の事気に入ってる…と言ってくれた隊士の1人…京の言葉に、眉間に皺を寄せた。


『それは貶してるのか? 褒めてるのか?』



少し低い声色でそう言うと、褒めてんだよ…と笑った京につられて、僕も笑みを浮かべた。



京は、物凄く剣の腕が立つ。

1番組み内なら、沖田と僕の次…城山さんよりも上だと思えるくらいに強い。


手合わせをする度、成長していくこいつを見るのは最近の楽しみだったりする。



『真白、お前八木邸に行くんだろ?』


『……ああ。芹沢鴨に会ってくる』



心配するな、と付け加えた僕を見て呆れた表情を浮かべた京の手が、僕の頰に伸ばされたかと思った瞬間。


思いっきり、同時に横へと引っ張られた。



『い…っ』

やっと解放された頰を摩り京を睨むと、ため息をついた京が、今度は額へとデコピンを決めた。



『芹沢さんは、女好きなんだよ。
お前、自覚ねえからな? 気をつけて行けよ』