幕末を駆けた桜




土方の目を見てそう言えば、少し考えたそぶりを見せた土方が“それ”を僕の手から取り上げてニヤリと口角を上げた。



『……のった。

だが、同伴者は俺と沖田の2人だ』


八木邸に行くことは許可する…と言って部屋に戻って行く土方に、思わずため息が漏れた。



あくまでも、坂本には合わせないつもりか。




『坂本は、倒幕派では無い』


『だが、佐幕でも無いだろう』


以外にも僕の言葉に返して来た土方に驚きながら、ワザと土方にも聞こえるようにクスッと笑い声をだす。



『それを言えば……僕も佐幕じゃない』




坂本は…攘夷でも、倒幕でも、佐幕でもない。

あいつは、この日本を作り上げた新たなる歴史の革新者だ。


そんな奴を、みすみす殺すわけにもいかない。
それに、奴がいれば何かと簡単にことが運ぶような気もするしな。




『俺は、お前の考えが全く読めねえ』



『それはお互い様だ、土方』