幕末を駆けた桜





青い空。

雲ひとつない曇りなき空。



そんな気持ちの良い青空のもと、今日もひたすら稽古に励むつもりだったのだが。



『2人揃って切腹しろっ‼︎‼︎』


顔面真っ赤で追いかけてくる鬼…もしくは般若。

いや、死神でもいい。


そんな死神に追いかけられている僕は、どちらかといえば巻き込まれたかわいそうな被害者だ。


『土方さんがこんな物書くから悪いんですよ〜』


悪気のない沖田の声と。


『嫌に決まってるだろう⁉︎』


切羽詰った僕の叫びを聞き流した死神は、まさに鎌とも言える刀を振り回して切腹しろと叫び続けている。



もうやめろよ。
走るのに疲れたんだよ、僕は。



大体、強くなってここでこの時代を生き抜いてあんたらの行く末を変えてやろうとしてるのに。



その稽古を邪魔されないといけない理由なんか、僕には見つけられない。



それに、芹沢鴨に会いにいくと言って八木邸に向かう事も未だ許されていないし。


坂本にも、ここ最近会っていない。
と言うよりも、バレた日から坂本が来ては追い返されているらしいと仲良くなった隊士から情報を頂いた。