『……何か?』
視線に耐えきれなくなった僕が首を傾げながらそういうと、先に復活したらしい土方さんが力任せに肩を掴んできた。
あ…出たよ、馬鹿力。
無駄に力が強いんだから、そんなに強く肩を掴まれると絶対跡が残るんだよ。
『お前…今、坂本って言ったか…⁉︎』
目を見開いてそう言った土方さんに、一瞬固まって自分の台詞を思い返して見る。
坂本…? 僕、さっきそんな事言ったか?
確か…『坂本が居た時も、ちゃん付けでしたが』
なんて言った気がしなくもない…って!
坂本がいた時も…だと?
なに自分で口を滑らせてるんだよ、僕。
僕の慌てぶりに肯定と取ったのか、土方さんに手首を掴まれて道場から引きづりだされた。
組長方も、後ろからついてくる。
沖田さんは、呆れ半分、困り半分の表情で僕を見ていた。
斎藤さんには言ってなかったから、斎藤さんは驚いて僕を見ていた。
『お前の言ってる坂本ってのは、坂本龍馬の事だよな?』
……ここで嘘を言っても、絶対見破られる。
すまんな、坂本。
フォローするつもりだったのに、まさか僕がしくじるなんて。
『……答えろ!』
土方さんの迫力に押されて、ゆっくりと視線を下に向けた。
背筋に、冷や汗が流れた。
柄にもなく、手が震えた。
それを隠すために、組長方にバレないように背中へと手を持っていく。


