幕末を駆けた桜




いつもバカやってる三馬鹿の藤堂さん、原田さん、永倉さんですら怖い。


もちろん、沖田さんや斎藤さんも。


穏やかなのは、隣に座る山南さんと、目の前に座る近藤さんくらいだ。



土方さんに至っては論外。




『いきなり悪かったな』


『……いえ』


土方さんが重々しく口を開いたのを見て気を引き締める。


それだけ言いたくない事なのだろう。



『今回呼んだ件だが…壬生浪士組には2つの派があるんだ』


そこまで言って僕を見た土方さんに、理解していることを示すため頷いてみせる。




『近藤さん達近藤一派と、芹沢さん率いる芹沢一派ですよね』



土方さんの言葉を代弁した僕に、周りが目を見開いた気がするが、この際無視だ。

『…先程城山さんに伺いましたので』



こう付け加えておけば、何かと都合がいい。



案の定、周りも納得したらしかった。



『そうか…なら話が早い。

今度、芹沢さんが島原で宴を開くと言っているんだが…お前に会いたいらしくてな』