幕末を駆けた桜




来る……とは、芹沢鴨の事か。



『ああ…真白の件もある』


『僕は反対ですよ。真白君をあの人に会わせるなんて』



思いがけず出て来た僕の名前に驚きながらも、3人にバレない様に息を潜め続けた。


もしかしなくても、今回の会議は僕のことが原因なのか?


芹沢鴨に会ったらどうなるか分からないと言う考えからか。



『取り敢えず…時間もない』



『分かりました。左之さん、行こう』



その会話まで聞こえ、沖田さんの言葉に原田さんが返した後、声が遠ざかって行った。




……まさに危機一髪…!



『坂本…お前、僕が気付く前に沖田さんと鉢合わせして居たらどうするつもりだったんだ!』



『その時はその時だしな?』



余りに身勝手な坂本に、頭に血が上っていくのがわかった。


本当にこんな奴が外交の天才?
ふざけるな。


こんな自分の身すら案じれない奴が、日本を作れる訳がない!



『もし、お前が死んだらどうしてた?

お前はもう少し、自分の身を案ずるべきだ』




坂本を睨みつけてそう行った僕に、なぜか斎藤が驚いた表情を浮かべた。