幕末を駆けた桜




何を言ってるんだ、この男は。
イキナリそんなこと言って…僕は隊士になりたくないんだよ。



確かに、彼らのいく末は悲惨だが、それは別にここに居なくても変えることができる。




すでに坂本龍馬に会っている身としては、ここにいると厄介な事になる気がしてならないんだよ。



『斎藤…お前まで⁉︎』

『別に、悪い奴ではないのではないかと思いまして』



……まぁ、斎藤一に褒められる事は悪くはないがな。



『お前の根拠も勘か?』


『勘ですね』


斎藤一の返しに、ため息をついた土方歳三を哀れむような視線でみる。


苦労してんな、こいつも。



『……僕は反対ですよ』



『俺もだ』



なぜか、僕を挟んで賛成と言い張る近藤勇と斎藤一と、反対と言い張る土方歳三と沖田総司の戦いが始まってしまった。



……僕は、どうすればいい?

というより、沖田総司達も、反対なら連れてこなければ良かったって話なんだ。



一々面倒ごとに巻き込みやがって。



『悪い奴には見えないんだがな』

『こいつの強さは異常だ。
悪くなくとも、俺らの脅威になる』


『だからこそ、真白を隊士にするべきだと思いますが』


『……ん? 一君、いつの間に名前聞いたのさ』



『副長と総司が反対していた時だ』



おい。
話がものすごくずれている。

なぜ僕を入れるか入れないかから、僕の名前の話になっているんだ。


沖田総司も、微妙なところに突っ込むな。