幕末を駆けた桜




…やめてくれ。
僕は何も言っていない。

『総司、お前後で副長室に来い』


『嫌ですよ。絶対怒鳴られるし』

『当たり前だろ』


僕を担ぎながら喧嘩を始めた2人に呆れ、思わずため息が溢れる。



さっきは坂本龍馬に会った。
それも、親しくなり、次会った時声をかけなければ斬ると言われた。


だが、こいつらは壬生浪士組。


大まかに言えば倒幕派と、佐幕派…まさに対立している中心勢力に巻き込まれるとは。

僕もつくづくついていな。



『……い。おい、着いたぞ』

『ああ、そうか』



僕を下ろしながらそう言った土方歳三に返事をし、言われた通りに後をついて歩く。


僕の後ろを、殺気放ちながらついて歩く沖田総司の事は、この際気にしないでおこう。




土方歳三に付いて歩くと、ある部屋の前で止まった土方歳三が、中の人に声をかけてから襖を開けた。