幕末を駆けた桜



だけど、とても魅力的な提案だ。


新撰組に居ても僕の味方はいない。
きっと、今回のことで鴨さん達も少し疑念を抱いたはずだ。


ある意味敵だらけの屯所で過ごすより、桂達と過ごした方が安全で楽しいはずだ。


伊東を追い出したと思ったら今度はこれだ。
一体どれくらい僕を疲れさせれば気がすむのか。

自分が歴史を変えている。
それだけでも、重圧で押し潰されそうになる。


だけど、それを正直に言える奴は、新撰組の中にはいない。


『龍馬も、お前が新撰組に残っている事を心配していた』




僕が新撰組に残ると言うこと。
それは、意見を変える見通しのない近藤さんについていき、坂本や桂達と一戦交えて死することを指す。


だが。


『僕は…近藤さんに従うと誓ったんだ。
己の誠を曲げるほど、落ちぶれてはいない』


自らの役割を果たせぬのなら、それは死するだけだ。
それだけの事。



こんなことで悩むのは、僕らしくない。
新撰組が僕を敵とみなしても、僕は、新撰組の為に、近藤勇のために動けば良い。