幕末を駆けた桜




ニヤッと笑って僕の隣に腰かけた桂は、何を思ったか同じ様に隣に寝転がった。


『……汚れるぞ』

『お互い様だろう?』


なんでも無いとでも言いたげに返して来た桂に、思わず頰が緩む。


……久しぶりに会ったが、やはり話していると落ち着く男だ。



『どうだ? 新選組の方は』

新選組…と聞いて、不意に先程の言葉が頭をよぎった。


『……駄目、かもな。
近藤さん達の思想を変えることなんて…最初から僕にはできなかったのかもしれない』



どこまで強くなっても、女である僕1人の意見で近藤さんの意見を、ましてや、土方の意見を変えることなんてできないことだったのだ。


さっき思わず行った言葉は、心の何処かで思っていた本音だった。

言いたいけど、言ってしまってはいけないとずっと思っていたのに。


感情に任せて全て吐いてしまった。


『…なら、もう一度聞こう。
ウチに来るか?』


僕の顔を見て察したのか、雰囲気を変えるように楽しそうに言った桂に、顔だけ動かして答える。


『こちらの意見は変わった。
いや、お前が変えたんだ。

尊王攘夷に動いていた者達は、皆お前の意見を聞いてからは薩摩や土佐や他の藩と同盟を組んで幕府を落とそうとしている』



桂の言葉を聞いて、余計に…新撰組の彼らのことが気にかかる。



長州が薩摩や他の藩と手を組むとなると、それは結構な大人数の敵となる。


その中には、勿論桂や西郷達もいるんだろう。
もしかすると、坂本も。