幕末を駆けた桜




『……これを機に、沖田や斎藤さん以外の組長方との仲を深めようと思ってな。

それに…』


少し痛む脇腹に顔をしかめる。

そして、今まで僕を殴ったり蹴ったりした奴らの顔を思い浮かべた。

それと…山南さんを追い出そうとした伊東の顔を。



『……そろそろ、反撃しようと思っていたところだ』



区切った言葉をそう続け、ニヤリと口角をあげて沖田を見る。

反撃だ。
もう、待つ事はしない。


良い機会だ。
あいつらを追い出す材料…隊士たちの証言も多数揃ったし、土方も、僕のことを信じてくれた。


『行くか、真白』


『ああ』



土方の言葉に珍しく反応しなかった僕に、本気だと悟ったのか沖田が僕の腕を掴んだ。



『真白君、でも…もし』


いつもの沖田らしい勢いはなく、何かに怯えたような表情でそう言う沖田の、僕の腕を掴んでいる手を僕の手で包む。


『大丈夫だ、沖田。
僕は、あいつに負ける気なんかない』