幕末を駆けた桜



『久しぶりだな…って、勝手についてきていただけですよね』


『まあ…な。あの時は睨まれたり刀天井に刺されたり……自分の命の危機を感じた』



怖かったよ…なんて言って手ぬぐいを持った手で額を抑えた山崎さんに、心の中で一応謝っておく。


確かに、あの時は何も考えずに攻撃したし。
僕にも確実に非はあった。


『……脇腹が痛いのか?
取り敢えず、服を脱げ。お前が女であることは知っているから安心しろ』



眉間にしわを痩せて僕を観た山崎さんの言葉に、中に入って襖を後ろ手で締め、畳の上に座る。


知っているからと言われても。

僕を監視していた時、風呂入っている時も視線が感じられたからな。
どこからか見ていたんだろう。


『覗いてましたもんね』



その時のことを思い出して不快感を覚え、嫌味ったらしく上を脱ぎながら山崎さんを見て鼻で笑う。


『覗いた訳じゃねえよ』


サッサとしろと急かす山崎さんに、小さくため息をついてから勢いよく脱ぎ捨て、山崎さんへと両手を向けた。



『ん……両手の怪我なし。

……これは酷いな』