幕末を駆けた桜



八木邸の前に着くと、初めて八木邸へと訪ねた時と同じように新見さんが隠れていたのか、僕達を見て中へと出迎えてくれた。


……まだ敵来るのか、ここ。

最近は鴨さんの目立った噂も聞かなくなったし、酒癖も治ったはずなのにな。
まぁ、敵としてはそんなの関係ないのかもしれない。


『それで。珍しい組み合わせだな』


鴨さんの部屋へ向かっている途中、新見さんが振り返って僕と山南さんを見てそう言った。

珍しい…のか?

『そんな事、無いと思うけど』


確かに、沖田とか土方とかに絡まれて時間は過ぎていって、山南さんと話す機会もなく長州に拉致られたけど。

でも、山南さんとは気があう方だと思う。


僕が思っているだけで山南さんも同じように思ってるかとかは分からないけど。



『着いたぞ』


『ありがとう』

『ありがとうございます、新見君』


新見さんにまで頭を下げた山南さんに感心しながら、襖を開けて中へと入った。


後ろで山南さんが何か言っているけど無視。
別に、鴨さんだし。礼儀とかいいと思うんだけどな、僕的に。