幕末を駆けた桜




『土方さん!』



スパァーン! と気持ちのいい音を立てて勢いよく襖を開けた沖田は、一月前と何も変わっていない。

ただ、僕の手を握ったまま離す気配がないこと以外は。



『煩えよ、総司……って、真白!』


『うわっ!』



僕と目があった土方は、目を見開かせ、沖田と同じ行動をとった。


つまり、抱きしめてきた。


何だ。この時代の男は抱きつくのが好きなのか?
僕に抱きついても楽しくないだろう。
どうせやるなら、他の可愛い女の子にでもしておけ。


『離れてくださいよ、土方さん』


『いや、あんたも手を離してくれないかな』


僕の言葉を無視して土方を無理やり僕から引き剥がした沖田は、どこか満足げな笑みを浮かべた。


相変わらず、変な奴だ。



『……真白、いつ帰ってきた?』


『たった今』