説得出来るのかなんて分からないし、出来ないかもしれないし出来るかもしれない。

いや、違う。
しなければいけない。
出来なきゃいけない。



『新選組は、僕が守る』



『こりゃあ、えらいもんを先に掻っ攫われたようだな、俺達は』



僕の隣に立ち、残念そうにそう言った高杉を横目で見て薄く笑みを浮かべた。

高杉にここまで言ってもらえるなんて、現代にいる時だったら考えられなかった。


まぁ、存在しないし。


あの、高杉晋作にここまで褒められたんだ。


僕ならやれる。




『じゃあ、また。

今度会うときは敵じゃない事を祈る』




『それは俺達もだ。

……じゃあな、真白。また会おう』




高杉の言葉に何も言わず、振り返らずに今日の街へと繰り出した。


そういや、桂も伊藤も何も言わなかった。
目でこそ何か訴えていたけど。

僕エスパーじゃないし。
感じ取れるわけないだろっての。




『さ……、一月ぶりの新選組か。
皆驚くかな』


少し急ぎ足で、早く皆の顔を見るために屯所へと向かった。