坂本の声が聞こえなって来た頃、何食わぬ顔で近藤さんのところへと足を向けた。


中に耳を立て、まだこの場に坂本と土方がいない事を確認してから、一声かけてから襖を開ける。



『……顔が強張っていますが…緊張しているんですか?』


『そりゃあ緊張もするさ。
でも…君の話を聞くうちに彼の話を頭ごなしに否定するのもどうかと思ってね』


それに、と。
新撰組に掲げる誠があるように、彼にも彼なりの誠があるのか…知りたくなったんだ。

そう続けた近藤さんに、笑みを浮かべながら静かに頷いた。


近づいてくる足音が2つ聞こえるし。そろそろ…土方と坂本がくるはずだ。



『近藤さん。
本当に僕も一緒にいて良いんですか?』


『君にいてもらわないと、何かと不安でね』


特に歳が怒ったら手がつけられんからな。

そう言ってガハガハと笑い声をあげた近藤さんに釣られて、僕をハハッと笑い声をあげた。