幕末を駆けた桜




『あなたの力を貸して欲しい』



僕のその言葉に、芹沢鴨はどこか余裕げな表情を浮かべ、僕に酒を注ぐ。


『……儂は、尊王攘夷だが』


『承知しております。

それを知った上で、あなたの力をお借りしたい』




近藤の意見を変えることができるのは、僕でも無く坂本でも無く、ましてや土方でもない。


他でもない、目の前にいる芹沢鴨だけなのだ。

同じ地位に立つものだからこそ、分かりあえるというものである。



『お前は、儂が力を貸す可能性をどれくらいととる?』


『それは勿論、100…でございます』




いや、100でなければならない。

芹沢鴨の力を借りることは、これから続く変革にとても大切なことの1つなのだ。

今すぐで無くとも、じわじわと落とす覚悟はある。




『……良いだろう。
お前に力を貸してやろう。


ただし…芹沢一派や近藤一派としてでは無く、対等に話せるものとしてのみだがな』




前半は予想通りのセリフであった。

が。


後半部分は、まさかの収穫だ。