掴みはまぁまぁ。
取り敢えず、興味は持ってもらえたようだ。
『お前みたいな面白い奴がそっちにいるとは、勿体無いな』
『……それは、どういう了見で?』
僕が芹沢鴨では無く近藤側にいる事なのか。それとも、倒幕派にいない事に対しての勿体無いなのか。
それが分からず、芹沢鴨を見て首を傾げた。
『…幕府の力が衰えている事は、近藤も儂も薄々感じておる』
その言葉で、後者の方の意味だと分かったが…その辺りの観察力は、流石としか言いようがない。
芹沢鴨の言葉を遮らぬよう、そして話を続けるよう目で促す。
『だが、それを表に出せぬ立場だ。
この先長州あたりが何かしかけるとは思うが、幕府は太刀打ちができないだろうな』
……やはり芹沢鴨は、近藤よりも周りの状況とこの先の未来を見る力が優れている。
僕の考えは間違えていなかった。
この人を味方につければ、確実に大きな力になるはずだ。


