自信満々にそう逝った芹沢に、舌を巻かずにはいられなかった。
……流石局長。
名は伊達じゃないって事か。
『…まぁ、そうですね』
周りに前川邸の奴らが近くにいないかを確認してできるだけ小声でそう伝える。
何たって、時期新撰組は地獄耳が多そうだし。
『やはりな。それで…用はなんだ?』
急かすわけでもなく、自分の杯にも酒を注いだ芹沢鴨に、今度は僕が口角を上げる番だった。
『芹沢さんは…坂本という男をご存知で?』
やはり、倒幕なのか佐幕なのかハッキリとしていない坂本の名はあまり口にはしないのか…それとも、意識的に避けているのか。
中々耳にしないであろうなを口にした僕に、今度は芹沢鴨が目を軽く見開いた。
既に、酒を飲む手は止まっている。
『坂本と言うと、坂本龍馬の事か…?』
恐る恐る…という感じで聞いてきた芹沢鴨に、にっこりと微笑んで頷いてみせる。
『ええ。その、坂本龍馬ですよ』


