琴美side
「このクラスの担任になった田畑です。よろしくお願いします!」
うわ、若い先生だな~。若干イケメンだし…。
「うちの学校はもちろん規則は厳しい。ピアスや化粧、バイトもダメだ。部活に入ってる生徒がほとんどだからみんな部活に入れよ~。ちなみに、俺は野球部のコーチだからな!」
え、ピアスも化粧もバイトもだめ?
ありえないんだけど?!
しかもピアスあいてるし、私、、。
まあでもバレなきゃいいよね!
「じゃあ、今からみんなと仲良くなるために自己紹介をしてもらおうか」
小学生でもあるまいし、自己紹介なんてするの?
ほんと嫌だよ~、。
「じゃあ俺が適当に選んでいくぞ~。じゃあ…澤島!!」
「…はい!」
び、びっくりした、澤田って言われるのかと思った。
澤島くん、か。
かわいい顔してるな~。イケメン…
顔をじーっと見つめていると、澤島くんと目があった。
ビクッとしてすぐ目をそらす。
め、目があっちゃった…。
「えっと、澤島響です。野球部です。…あとは…。」
野球部なんだ、。でも坊主だからそうなるか。
「好きなものとか好きな人とかなんでもいいぞ」
す、好きな人も言うの?!
なんなのこの先生!ありえない
「…すきなものは特になくて、好きな人はいません。」
こ、答えた!真面目に答えたよ、このひと!
「よし、ありがとう」
パチパチ…
みんな拍手をしていると、
「じゃあ、次は…澤田!」
え、、。澤田??
「澤田!いないのか?…いるじゃないか!返事しろ」
え、え、えー?!!!わたし?!
「……は、はい!」
「 こと、がんばれ 」
佳純が後ろから声をかける
佳純にうなずき前に出る。
うわあ、緊張するよ…。
はじめましてのひとばかりなのに…。
「…さ、澤田…琴美です。部活は…入りません、よろしくお願いします」
い、言えたあ!!!!!
うっし、乗りきったぞ!
「おいおい、それだけか?好きな人と好きなもの」
は、はあ?!言うわけないでしょ!
「…どっちも特になしで」
「それはダメ。どっちか答えろ」
し、しつこくない?
私が戸惑っていたら、
「先生!澤田さんのときだけしつこくないですか?」
澤島くんの後ろの席の男子が助け船を出してくれた!
あ、ありがたい!!
「ま、まあもういいよ、次!」
なんなの、この先生
私は先生をじっと睨みつけ、助けてくれた男子の方にいって、ありがとうとニコッと笑った。
「い、いやいいよ。困ってたみたいだから」
気づいてくれるなんて神様か!
私はそう思いながら席につく。
しばらく聞いているとみんなの自己紹介が終わり、入学式が終わって、各自解散となった。
「あぁ~、つかれた、」
親と合流し、車に乗り込んだ。
「お疲れさま。あ!そうそう。澤島くんのお母さんと今から一緒にランチだけどあんたも来るでしょ?」
澤島…?
「だれ?それ」
「あんたと同じクラスの男の子のお母さん。澤島くんっていなかった?」
え、あ!あの人か!
なんでランチ?
「なんで?知り合い?」
「お母さんと同級生だったの。だから久しぶりに話そうってなって。あ、もうこんな時間、行くよ」
うんとも言っていない私をつれて待ち合わせの場所に向かった。
するとそこには…。
「な、なんで…」