だけど私が急いで教室を出たところで、さっき教室を出たばかりの真綾ちゃんに追いついてしまう。

それに走ったところで、マナはもう既に校門を過ぎていて双葉小方面に向かっているかもしれない。


私は走るのを止めた。


……なんだか情けないな。

真綾ちゃんの目を気にして、マナに話しかけることができないなんて。

どうして唯みたいに堂々と話しかけることができないんだろう。


トイレの前を通った時、そこからひょっこりマナが出てきた。

「あっかのこと待ってたよ。もう少し、話していたかったからね」


マナは私のことを見透かしていたんだ。

真綾ちゃんを気にしてマナに声を掛けられなかった事。

だから気を遣って先に教室を出て、トイレで私を待っていてくれたんだ。

私が臆病なせいで、マナを傷つけてしまったのかな……


「マナ、ごめん……」

マナはニコニコしながら「なにが?」って聞いてきた。