私もゆっくりと起き上がり、その場に正座する。

私から目を逸らし、真っ赤にしてバツの悪そうな表情を見せる大嶋に、胸が傷んでしまった。


「ごめんね、大嶋」

「いや、俺の方こそ……なんか襲ったみたいになっちゃって」

「違う!嫌じゃない。でも、何かが違う気がして……」


苛立った声で「何が?」と聞かれて、うまく答えることができなかった。

うつむいて、歯をくいしばる。涙も出そうになったけど、ここで泣いたら完全に大嶋が悪者になってしまう。


「俺、最初にラインの通話着信があったときから、お前も俺と同じことを考えているんだと思ってた。

あの時、俺もずっとお前に連絡取ろうか迷っていたから。


お前はたまたま通話ボタンを押したみたいな言い方したけど、俺のプロフィールを開かなければ、通話ボタンだって押されることはないんだよな。


ま、どうでもいいや。全部俺の自惚れだったんだから」