母親のこの言葉で、俺は札幌の私立高校を受験することを決意した。

だけど入学は東高でっていう思いも変わらなかった。念を押して母親に伝えたら、わかったと言って頷いてくれたんだ。


進路希望が確定した途端に、気持ちがすっきりとした。頭も冴えてきた気がして、早速部屋に戻り復習を始めた。


次の日、担任の中井に私立を受験する旨を伝え、対策を考えてもらった。


「大嶋。確かにお前は双葉中ではトップクラスの成績だ。だけど絶対にそれを基準にしてはならない。

札幌には全道からそういった連中が集まってくるからな」


あえて言葉で言われなくてもわかっている。しかしわかっていたところで、結局は未知の世界なんだ。俺は武者震いをしてから次の授業に臨んだ。