「ねえ、あの手紙って私宛だったの?」

思い切って聞いてみることにした。私宛だってわかれば、躊躇うことなく手紙の封を切ることができる。


「宮西、ビール頼もうか?」

「いいよ。自分で頼む。大嶋も飲むよね」


気まずい話題だったのかな。呼び出しボタンで駆けつけた店員に、私は生を二つ注文する。

ある程度お腹は満たされていたけど、落ち着きなくてメニューを眺めた。


「あれは違うよ。宮西宛じゃないんだ」

小声で大嶋が独り言のようにつぶやく。

「……ふうん、そうなんだ」


封筒の中に入った手紙には、彼の私への想いが綴られているものだと思っていた。

大嶋が私に告白したのと同時にタイムカプセルのことを頼んだせいか、私の頭の中ではその二つの事を勝手に関連付けていたようだった。