ビールが入ったジョッキを合わせ、お互いの近況や先日の同窓会について話した。


「そういえばヒロから大嶋の手紙を預かっていたこと忘れてた。今日持ってこようと思っていたのに」


大嶋がタイムカプセルに入れたあの手紙だ。同窓会から帰ったあとで気にはなったものの、がっちり糊付けされていたそれを、開封しようとは思わなかった。


「別にいいよ。最初から俺の元に返ってくるとは思っていなかったし」


大嶋が同窓会に出席できなかった場合、タイムカプセルの開封は私にと頼まれていた。

手紙をきっかけに、私は少しだけ酔いが回っている頭の中で、あの日のことをぼんやり思い出す。


そして多分それは大嶋も同じだと思う。お互いに黙ってしまった。


気まずくなってしまい、ぬるくなってしまったビールをぐっと飲み干した。

ジョッキをテーブルに置いて顔を上げた瞬間に、頬杖をついていた大嶋と目が合ってしまう。