「ヒロ、大嶋、おはよー」

俺の斜め前の席に座る浦東だ。宮西と浅倉のいつものメンバーも集まっている。


二年生のバレンタインの日に浅倉がヒロに告白をして、そこから二人は付き合うようになった。

けど教室では前までと同じようにヒロは俺といることが多く、浅倉もいつもの三人組でかたまっている。


今は俺と浦東の席が近いから、休み時間には五人でいることが多い。

そうなってくると、やはり気になるのは宮西のことだった。


去年、宮西はヒロのことが好きだった。

仲のいい浅倉とヒロが付き合うことになって、あいつは多分、俺の計り知ることのできないつらさを経験したはずなんだ。


今のあいつの様子を見るとまだヒロのことを好きなのか、それとも吹っ切れているのかはわからない。

吹っ切れているのなら心配することはない。

でもまだ好きだったらって考えると、こうして五人でいることはあいつにとって酷なんじゃないのか。


あいつって結構、自分の気持ちを隠しているところがあるみたいだし。