「前にもあったけど、他の人のこういうところを見るのって、なんだか悪いことした感じになるよな」

「私なんて今回は身内だからなおさらだよ」


毎日顔を合わせるお姉ちゃんの、秘密にしている部分が見えてしまったようで、なんとなく気恥ずかしくなる。


「じゃあ俺ここで帰るわ。また明日な」

「あ、うん、ありがとう。えっと、明日ね」


なんだか変な空気のままで、ヒロは来た道を戻っていった。


家に着いたら私はまっすぐベッドに向かい、抱きまくらのように布団を力いっぱいぎゅっと抱きしめた。

身体中に収まらないヒロへの気持ちと、さっきから鳴り止まない心臓の音が、そうすることによって全部落ち着く気がした。