あてもなく歩くと、一つの小屋が見えてきた。

明かりがついている。

それを見ただけで少しだけ安心した気がする。

誰かいることを信じながら1歩ずつ歩いていった。






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小屋に近づいてみると、予想をはるかに超える大きな小屋だった。


恐怖心を抱きながらも小屋の中に入るとそこには思いがけないことが待っていた。



いなくなったと思っていた友達が
小屋の中にいたのだ。


それも1人や2人ではない。


全員だ。

放課後、遊んでいたメンバーは私を含めて6人。


一人目は親友の美里由佳(みさとゆか)

二人目は大人しめの加藤夏樹(かとうなつき)

三人目は派手系お金持ちの一條白百合(いちじょうさゆり)

四人目はスポーツ系男子の伊東光希(いとうみつき)

五人目は光希と仲が良く、いつも一緒にいる浅田幸太(あさだこうた)

六人目は私、紅月沙羅(こうづきさら)だ。


由佳はすぐに私に気がついた。


「沙羅!どうしたの?ひどい怪我!」

「由佳!それにみんなも...!」

私は今までにあったことをみんなに話した。

由佳の話によると、みんなも同じようにあてもなく歩いていると、この小屋が現れたそうだ。

「それにしてもさ、この小屋。なんか気味が悪いのよね...。」

「確かに。それに、こんな大きなテレビ何に使うんだろうな?」

光希がそう言った後だった。

『ガガ...ガ...ご機嫌よう。皆様。小屋の居心地はいかがですか?』

どこからか声が聞こえた。

「ッッ?!お前だれだよ!!」

『テレビを付ければすぐに分かりますよ...。』

幸太がすぐにテレビを付けた。

するとそこには全身に黒い服をまとい、仮面を被った男がいた。

『白百合さん。お久しぶりです...。』

「はぁ?!なんであたしの名前しってんの?!意味わかんないこと言わないで!頭おかしいんじゃないの?あんたに会ったこともないし、全身黒ずくめの男なんか見たこともないわ!」

白百合は血相を変えながら言った。

「あなただけではありません。他の皆様もです。」


えっ?


ヒュンッーーー


一瞬頭になにかよぎった気がする。

気のせいかな…?



「その様子だと分からないようですね?
まぁ無理もないです…。『あの時』は酷かったですから…。」




『あの時』って……?


何だか頭痛がしてきた。
一刻も早くこの小屋から抜け出したい。
そう考えていた時だった。









「さぁ、皆様。今宵も楽しいゲームを始めましょう…?」









は?

何言って…

そう考えていた時。


「まぁ、まずは…そうですね。準備もあるので眠っていただきましょうか。」


そう言った後、天井から、催眠ガス?みたいな何かを振りまかれた。


そこで私の意識はなくなった。










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