天空の覇者

「ふは〜凄いヤツがジョーの弁護についたんやね」

傍聴席の千里は、呆れた様に弁護人、小田部 俊輔を見ていた。

「売名手段で名乗りを上げた訳じゃない…本気で戦い、勝ちに来てるんだな…ありゃ」

おやっさんも小田部弁護士の強気一点張りの弁護スタイルに度肝を抜かれている。

「あの弁護士…国選とは思えんな…」

ひいき目に見ても公的機関の人間による非合法活動…国選弁護士でまともに勝負に行くとは思えない。

「普通に考えりゃジョーが弁護士費用なんて払える訳が無い…とすりゃ…」

千里の頭にキザったらしい、あの男の姿が浮かんだ。