"パラ…パラ…パラパラ…"

小雨が降って来やがった。

だけど今の俺には、それを感じ取る余裕すら無い。

理由は至って簡単

俺は有明の話にビビっていた。

あまりのスケールに…

「クソー俺にどうしろって言うんだ…俺には、フォックスも無い…チームだって…ピースAを潰す?どうやって…買いかぶりすぎだよ」

うなだれて歩く俺の重い足…

アイツの話にアルコールは、すっかり抜け落ちてしまった。

生気の抜けた顔でとぼとぼ歩いていると灯りの灯った格納庫が見える。

「千里のヤツ…まだやってんのか?」

俺の足は自分の意志とうらはらに格納庫に向けて歩きだした。