「先輩、『図書室では静かに!』がマナーです。マナー違反は即刻退場願います」

「みほりん冷たーい」


「冷たくないです。今日だってぬくぬくです」


私はお気に入りのブランケットを身体に巻き付けながら、先輩をキッと睨む。
これさえあれば、心地よい温度で読書が出来る。冬場は必須アイテムなのだ。




「じゃあ俺もいれてよ」




何を思ったのか、私のブランケットのはじを先輩が掴んできたので、私はその手をペシッと跳ね除けガードした。




---な、何考えてるんだこの人!!





「だ、ダメです!!先輩はその辺で凍えてて下さいっ!!」


ドキドキと煩い、胸の鼓動を掻き消すかのように、今度は私が声をあげていた。