新選組と最強少年剣士

さっき話していてもそうだった。


少し嫌悪感を抱いたものの、剣壱が話しているほど異常には思えない。


それに‥‥‥人斬りをしていたのがこいつだなんて、初対面で気づけるかどうか?


気づかぬうちに冷や汗が出ていた。


大きく息を吐き出し、土方は強い目であらためて剣壱と紅と目を会わせた。


「他には?何かあるか?」


「見ての通り容姿がこれのせいで目立つから、隠密行動とか極秘任務で動くことは向いてない。気配消したり変装すれば別だけど、立の方がこっちは向いてるから経験は少ない。

暗殺は僕の方が得意だし、人斬り騒動とさっき話したことでわかってると思うけど、やること派手だからこっちも向いてない。本気だせばできる」


要するにだ。


もしこいつをここで隊士として扱う場合、腹の底がわからない、いつ爆発するかもわからない爆弾を抱え込むわけだ。


使いにくすぎる‥‥‥


というより、なぜ剣壱が紅のようなやつを部下にしたのかわからない。


剣壱は剣の腕だけで部下をとるような奴ではないはずだ。


効率や人柄なんかはよく考えて行動していると思っている。


「‥‥‥本当に、お前の部下なのか?」


「副長さんは俺に何か文句でも?」


「ああ、あるね。聞いてるかぎりではお前は阿呆だ。ただ血と殺戮を求める鬼と何ら変わらない。まるで人のなりをした化け物だ」


「‥‥‥‥‥‥俺が‥‥‥化け物、だと‥‥‥?」


「っ、」


紅の眉が動いたような気がした。


刹那的、一瞬にして氷柱のようか鋭く冷たい視線が、殺気が、土方を突き刺す。


全身の毛穴が開き、冷や汗がさらに溢れる。


頭が、本能が、死にたくなければすぐに謝れと命令するようだった。


赤い、紅の瞳が、土方を射ぬく。


「龍美」


穏やかな、もう聞き慣れたいつも通りの声だった。


紅の目線が剣壱に向く。