近距離戦闘ではそうはいかない。


目で捉えられる範囲にいることの方が多い。


さて立、次はどうでる‥‥‥?


また立の気配が消えた。


「はぁ!!」


今度は打ち込んでくる直後に鋭い殺気。


ビリっと身体が痺れる。


立の殺気は堪えるなぁ‥‥‥


「んっ、」


演舞を組み合わせた技。


表情はさっきの真剣さとは違い、艶やかに微笑みを浮かべている。


だが、攻撃を繰り出す度々に刺さる殺気。


んん、痺れるね‥‥‥!


「っ!?」


一瞬、立の袴の袖が目の前を覆った。


斬りかかると、目の前には誰もいない。


気配が感じない


「っ‥‥‥チッ!」


後ろに今日1番の殺気を感じると、僕は後ろを振り向きながら木刀を振るった。


パァン!!!


立の木刀との音が響く。


本気で打ち込んだため、打ち込もうとした立の木刀は上へ弾かれた。


その瞬間、僕は立の顔に向かって突きを放つ。


「‥‥‥‥あっ!」


「‥‥‥‥‥」


目の前に木刀の切っ先。


立は脱力し、ペタンと床に座り込んだ。


あちゃ、ちょっと本気になっちゃった。


「た、隊長、それは‥‥‥ないです‥‥‥」


「‥‥‥‥ごめん‥‥」