新選組と最強少年剣士

何やら楽しそうな会話が聞こえた。


ひょっこりと顔を出すと、そこには井上さんと叶がいた。


「にゃ〜」


「ん?あ、剣壱君!」


「こんにちわ」


「お昼だね。はい、これ剣壱君の‥‥‥って、すごい汗だね」


「え?あ、ああ。稽古してきたから」


そういえば、着物が少し張り付くような?


僕は手拭いを出かける時以外は持ち歩いてないからなぁ。


稽古中に汗を拭うこともないし。


「駄目だよ。秋だから汗冷やしたら風邪ひいちゃうよ」


そう言って、井上さんは懐から出した手拭いで優しく僕の額の汗を拭いてくれる。


う、ちょっと恥ずいな‥‥‥


「あの、井上さん‥‥‥僕、これでもその、十六だからこういうのは‥‥‥」


「あ、すまない。何せ見た目が子供だから‥‥‥」


んんん‥‥‥!


グサッと心に矢がささった気分だ。


悪気はないんだ、そう、悪気はないんだよ!


日本人男子より平均的に身長が低いことなんて井上さんは知らないんだよ‥‥‥!


てか江戸時代の人間は、現代よりも身長低いはずだろ!?


なんだこうも皆高いんだよ畜生‥‥‥!!!


僕、童顔だしなぁ‥‥‥


イケメンなんて滅びればいいんだよ‥‥‥!


「剣壱君‥‥‥?」


「何でもないです‥‥‥何でもないですよぉ‥‥‥」


「あ、何かごめんね?」