新選組と最強少年剣士

土方さんに怒られそう‥‥‥


「すげぇな‥‥‥木刀が折れたぜ?」


「ああ、どっちも強い‥‥‥」


周りを見れば、稽古中であるはずの人達もこっちを見ていた。


褒められちゃったな〜


新選組に来てどのくらい時が経っただろう?


それなりに隊士たちも受け入れてきてくれている。


ま、未だに影でコソノソ言われることはもちろんあるのだけれど。


「山南さん、ありがとう!じゃあ僕、もう少し稽古してるね!」


「はい、頑張ってください」


道場の隅で、1人素振り。


芹沢さんの死後、僕は一応新選組の隊士となったが、誰の指南は受けていない。


まだ預りという立場がある以上、基本的任務以外の時間は自由に行動できる。


稽古もほぼ1人で、配属先が決まっていないため巡察も決まっていない。


朝、土方さんにところに行き、命令された時だけ同行する。


なぜか朝と夜の巡察によく行かされるけど。


昼の巡察にはあんまし行かないんだよぁ。


「‥‥‥‥ほっ!」


さっき使った、山南さんの剣技をしてみる。


天然理心流って、これといって決まった型がないんだよなぁ。


まぁそこが面白いんだが‥‥‥


ズキッ


「んっ‥‥‥」


ふと、腕に痛みが走った


いろいろあり、本当にいろいろあって、身体の至るところに傷がある。


塞がってきているものの、なかなか直らない。


ま、大人しく休まずに、こうして稽古やらなんやらしているからなのだが。