新選組と最強少年剣士

もう１つ。


手加減はしない。


勝負はいつでも本気の真剣勝負。


稽古であってもそれは同じ。


そして最後。


自分の剣術はあまり使わない。


どういうことかというと‥‥‥‥


パシッ！カンッ！カンッ！


「飲み込みが早いですね」


「どうも‥‥‥！」


山南さんの木刀を押し返す。


この身体でも、多少は押し返すことも出来るようになった。


飲み込みが早い。


僕は、幹部連中との稽古試合では、相手の剣術を使っている。


つまり、僕が今使っている剣術は山南さんの剣技。


でも、やっぱり長年使っている相手にただの真似た剣技なんてへなちょそ同然。


なので、本気を出して負けられるわけだ。


まぁたまに意地悪して勝っちゃうけどね！


「ハァア！！」


「せいやッ！！」


パァン！！！


一際大きな音が道場に響く。


お互いに渾身の一太刀を放った。


「ありがとうございました」
「ありがとうございました」


お互いに礼をする。


そして、僕は自分の木刀を眺めた。


「あ〜あ、負けちゃった」


「折れてしまいましたねぇ」


そう、僕の木刀が折れたのだ。


打ち込みが甘かったのかなぁ？