新選組と最強少年剣士

何やら珍しく口ごもっている様子。


山崎さんって、もっとこう‥‥‥仕事出来ます!って感じの人なんだけどなぁ。


キリッとした感じじゃないけど、スマートみたいな?


まぁそんな山崎さんだから、口ごもるのは珍しい。


それも何やら言いにくいのではなく、困っているという感じだ。


「山崎さん、はっきり言ってよ」


「間者に入っている者たちが、新選組の幹部の暗殺以外にも目的があるようなんだ」


「うん?そうなの?」


おお、それは知らなかった。


立からもそんな報告は受けてない。


「で、その目的は?」


間者だし、情緒収集と幹部の暗殺だけだと思ってたんだけどなぁ。


僕も詰めが甘いのか‥‥‥


「ある者を、長州藩士に引き入れたいみたいなんだ」


「!」


ちょっと待って。


長州藩士に引き入れたい!?


「いやいやいや、可笑しいでしょう」


「?」


「だって、この時期だよ?新選組が1枚岩になろうとしてる時に、この新選組抜けたいなんてクズがいたとしても、抜ける度胸はないだろうし。

第1、新選組に入るなんて覚悟持ちながら長州藩士になるっていうのはちょっと‥‥‥」


無理があるだろう。


それ以前に、新選組幹部暗殺なんて目的持ちながら勧誘なんて‥‥‥


どんなけ新選組のこと下に見てるんだよ。


「その、引き入れたい人は特定できてるの?」


「ああ」


山崎に聞きながらも、考えを巡らせてみる。