『警察の話だと裕子
ここ最近ずっとあの事件のせいでカウンセリング受けてたみたい...』
信じられない様子で語り出す美和子...
それもそのはずだ
メンバー一虫も殺さぬほど
内気で優しさを兼ね備えた裕子が
幼なじみのまみを滅多刺しにしたなんて考えられない。
それは俺だけじゃなくみんなもそうだ。
『でも、美和子
警察の聴取に春香ちゃんが生きてたとか言ってるんだよね?まさかほんとに』
『そんな分けないだろう!春香は死んだんだ!』
美和子の言葉を遮り荒立てる和人。
『そ、そうだよね...おかしなこと言ってごめんね』
そこにいた全員に沈黙が流れた。
この妙な感じはなんなんだろうか...
胸の奥がつっかえる感じ...
警察の聴取に春香が生きていると話す裕子。
春香が10年の時を経て復讐しに来てると...
警察はさしづめ青春時代におきた友人の死のせいで精神をおかしくしてしまったんだろうと
あの同窓会も裕子が皆に宛てたものだと言っていた。
そこにたまたま春香そっくりの藤堂社長が現れたことで現実と夢の世界の見分けがつかなくなったんだろうと...
裕子の単独的犯行と見て警察は捜査を勧めるらしい
渦中の裕子は精神異常と判断され精神鑑定される移行だと
どうもおかしいじゃないか
裕子はどうして俺達の住所を知っていたんだ?!
なぜ10年経った今こういった行動に移そうと思ったんだ?!
あの事件以来
春香の事を思い出すのが皆辛かったんだろう
俺達はそれぞれ地元から離れて暮らしていたじゃないか!!
聞けば裕子とまみはその間連絡すら取ってなかったという...
こんな事件起こすきっかけになるにしてはおかしいじゃないか
なぜだ...
なぜ、ここにいる皆触れようとしないんだ...