ドンッ‼


ちょうど曲がり角の所で
向かいから来る人物に気付かず
俺は派手に尻餅をついてしまった。

そして、その拍子に持っていた段ボールは手から離れバサバサと音を立て散らばっていく。


俺は先ほどから好奇の眼差しで見られていた恥ずかしさとこの歳にもなって派手に尻餅をついた恥ずかしさから顔を上げることが出来ず。


『すいません...』


と言いながら散らばってしまった荷物を拾い上げそそくさとその場から離れた。




『河野恭一...』




そのぶつかった人物が
俺の後ろ姿を見て俺の名前を呟いてるとは知らず。