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町中に響き渡るサイレンの音。
真っ赤なランプが真っ暗の世界を明るくする。


熱い熱い熱帯夜の真夜中の出来事だった。


閑静な住宅街の一角にどこにでもある一軒家が炎につつまれ全焼した。


時刻はちょうど0時過ぎ。



俺は春香にどうしても伝えたい事を伝えに春香の家に向かって歩いていた。



その途中で何台かの消防車が俺とすれ違い春香の家の方向に向かっていくのを見て


どこか火事なんだろうか...


こんな真夏に...と思いつつ
それは春香には無縁のことだと思って
馳せる思いにひたすら足を春香の家の方向に向けて進んでいた。