猫な私の甘い恋

反対側に座っている愛ちゃんが羨ましそうな声で言った。

違います。でもそういう噂が立っちゃったらしいよ。彪様の告白を断る人はいないって。いるんですよね~それが。まぁ面倒くさいからいいか。そのままにしておこう。

「あ~欲しいなぁ彪様。」

あげますあげます。彪いらないです。愛ちゃんの方がお似合いだよ。でもそんなこと彪が隣にいるのに言えないな。言ったとしたら…彪に潰される。あー怖い怖い。

「あげないよ。愛ちゃんだとしても。」

私は自分の命の為に全力で嘘をついた。

うわぁ自分で言っといて吐き気がする…。

けれど隣にいる彪は少し顔を赤くしていた。

機嫌とっといた方が襲われないかも?でも顔が赤くなるのをいつも見て、挙げ句の果てには私が嘘をつくなんて…無理!

「そっか。そうだよね。なんかごめんね。」

シュンとうなだれる愛ちゃん。いや愛ちゃんって結構騙されやすそう。

「にしても美味しいね!」