外は案外普通だった。
 きっとみんな親のようにお洒落をして、家族と過ごしたりして最期を待っているんだ。

 私は2年間通い続けた道を一人で、手ぶらで歩く。
 あんなに朝、歩きたくないと思っていたこの道も、なんだか悲しく見える。

 学校は20分程家から歩けば着いた。こんなに早いものなのかと、いつもとは違う感覚では学校も嫌ではなくなるんだと学校を見つめて思う。
 門は開いていた。玄関も開いていた。透明なドアを力強く押せばふわっと木の匂いがする。